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7月14日は世界シャチの日!日本が世界に誇る野生シャチの聖地、根室海峡へ行こう

2026年07月16日
目次
1 なぜここ?羅臼港の目の前に広がる深海が「世界屈指の密度」を誇る理由
2 「最新のゲノム解析」で判明!根室海峡のシャチの食性
3 2019年から目撃が続く、世界的に極めて稀な「白いシャチ」の存在
4 知床・羅臼でシャチに出会うためのトラベルガイド
5 おわりに

毎年7月14日は、世界中でシャチについて考える「世界シャチの日(World Orca Day)」。

そして、7月7日から14日までの1週間は「World Orca Week(WOW)」です。

期間は少し過ぎてしまいましたが、この特別な記念日にちなんで、今回は日本が世界に誇るシャチの聖地、北海道の「根室海峡(羅臼沖)」を大特集!

実は日本国内にいながら、野生のシャチの群れに高確率で出会える場所があることをご存じでしょうか。

最新の研究でわかった生態や神秘的な白いシャチ、そして実際に会いに行くための観光船情報まで、その魅力をたっぷりとお届けします。

なぜここ?羅臼港の目の前に広がる深海が「世界屈指の密度」を誇る理由

 

根室海峡(特に知床・羅臼沖)は、春から初夏にかけて高確率でシャチに出会える、世界でも屈指の遭遇率と密度を誇るエリアです。

その秘密は、羅臼港のすぐ目の前から急激に落ち込む、独特の海底地形にあります。

羅臼の海は、港を出てほんの少し進んだだけで水深が数百メートルから1,000メートルを超える深海へと繋がっています。

陸の近くにこれほど深い海があるため、船で何時間も遠出をする必要がなく、港からすぐのエリアがシャチたちの格好の回遊ルートになっています。

実際、春から夏にかけては、海岸線を走る道路や高台にある「クジラの見える丘公園」からでも、肉眼や双眼鏡で野生のシャチの背びれや潮吹きが目撃されることもあるほど、彼らの暮らす豊かな海がすぐそばに迫っているのです。

さらに知床半島と国後島に囲まれているため、外洋に比べて比較的波が穏やか。

シャチたちにとっても、子育てや休息、および社交の場として最適なオアシスとなっています。

「最新のゲノム解析」で判明!根室海峡のシャチの食性

 

「知床のシャチは、一体何を食べているのか?」

これまで長年謎に包まれていましたが、近年の京都大学などの共同研究によって、非常に興味深い事実が明らかになりました。

シャチは世界中の海に生息しており、食べるエサや遺伝的な違いによって「エコタイプ(生態型)」という複数のグループに分かれていると言われています。

特に北太平洋では、以下の3タイプが知られています。

レジデント(主にサケなどの魚食性)

トランジェント(アザラシなどの哺乳類食性)

オフショア(サメ食性)

これまで北海道のシャチがどのグループに属しているのかは、外見や一部の観察だけでははっきりと証明できていませんでした。

しかし、最新の遺伝子(ゲノム)解析によって、北海道の海に来るシャチは「レジデント」「トランジェント」の2つのエコタイプであることが日本で初めて科学的に証明されたのです。

同じ根室海峡を泳いでいるシャチでも、実は「お魚派」と「お肉派」にクッキリ分かれており、それぞれが異なる文化やメニューを持ってこの豊かな海を利用しています。

この最新の発見は、今後の人とシャチの関係を考えていく上でも、非常に重要な一歩となっています。

2019年から目撃が続く、世界的に極めて稀な「白いシャチ」の存在

 

近年、羅臼の海を最も沸かせているのが、全身が真っ白な「白いシャチ」の存在です。

世界的に見ても白いシャチは極めて珍しく、一生に一度出会えるかどうかの幻の存在と言われていました。

しかし羅臼沖では、2019年に初めて1頭が確認されて以来、毎年のようにその姿が目撃されています。

これまでに3頭の個体が確認されていますが、今年2026年の7月にも目撃され、大きなニュースになりました!

知床での白いシャチの出現は、2024年6月に2頭が確認されて以来、実に2年ぶりのことです。

今回現れたのは、2019年に初めて確認された立派な背びれを持つオスの個体とみられ、羅臼沖に姿を見せたのは3年ぶりのことでした。

白くなる原因は遺伝的な理由(メラニン欠乏など)と考えられていますが、未だ完全には解明されていません。

知床の豊かな海が、この神秘的な存在を引き寄せていることは間違いありません。

知床・羅臼でシャチに出会うためのトラベルガイド

 

いざ羅臼へシャチに会いに行くために、知っておきたいベストシーズンや船の選び方、必要な準備をまとめました。

① ベストシーズンは「5月〜7月上旬」

シャチは回遊しているため、羅臼の海で見られる時期は限られています。

最も遭遇率が高くなるベストシーズンは5月〜7月上旬。

この時期を逃すとシャチに出会える確率は一気に下がります。

なお、夏の後半(7月後半以降)になると、海の主役はマッコウクジラやイルカたちへと切り替わります。

② 羅臼港から出港する代表的な観光船

野生のシャチをより間近で観察するなら、羅臼漁港から出港する観光クルーズ船への乗船がおすすめです。

羅臼からはいくつかの船が出ていますが、代表的なのは以下の4社です。

  • 知床・羅臼観光船はまなす
     
    住所:北海道目梨郡羅臼町礼文町15番地
    ※2026年10月をもって閉業となるため、今シーズンが最後の運航となります。
    公式ホームページへ

実は、どの船に乗ってもシャチの遭遇率に大きな差はありません。

海の上では船長同士が無線で密に情報をやり取りしており、どこかの船がシャチを見つければすぐに位置を共有して全員で向かう仕組みになっているからです。

そのため、「あの船じゃないとシャチが見られない」ということはありません。

シーズン中は満席になりやすいため、各社の運航スケジュールを確認し、まずは空いている船を早めに予約することをおすすめします。

③ 洋上は「真冬」。乗船時の必須持ち物リスト

陸地が初夏の暖かい陽気であっても、遮るもののない洋上は風が非常に強く、体感温度が一桁台(真冬並み)まで下がることが普通にあります。

船に乗る際は以下の準備が必須です。

・真冬並みの防寒着: フリースやインナーダウンの上に、風を通さないウインドブレーカーやレインウェアを重ね着するのが鉄則です。

・酔い止め薬: 船に乗り慣れていない方は、乗船の30分前までに必ず服用しておきましょう。

・双眼鏡: シャチが少し遠くに現れた際、これがあるだけで観察の楽しさが何倍にも膨らみます。

④ 羅臼へのアクセス(位置関係)

羅臼は北海道の中でも東の果てに位置しています。最寄りの空港からの目安は以下の通りです。

・根室中標津空港から:車で約1時間(一番アクセスが良いためおすすめです)

・女満別空港や釧路空港から:車で約2.5〜3.5時間(移動距離が長いため、乗船前日に羅臼に入って前泊するスケジュールがおすすめです。)

おわりに

 

世界シャチの日にちなんで、根室海峡のシャチたちについてご紹介しました。

行くたびに新しい表情や、言葉にできない感動を見せてくれる羅臼の海。

ぜひ皆さんも、日本が世界に誇るこの奇跡の海へ、野生のシャチたちに会いに行ってみてください。

きっと忘れられない光景に出会えるはずです。

※本記事に掲載しているシャチの写真は、すべて執筆者が実際に現地で撮影したものです。